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院長あいさつ
 
                        2012年を迎えて

当院は宮城県にモデル的な精神科病院を作ろうという熱い志から昭和29年(1954年)に開設されました。以来、約60年が経過しましたが、その間、当院は時代に即した医療を展開してきました。その中には、役割を終えたものもあれば、未だに試行錯誤を繰り返しているものもあれば、これから新たに導入されようとしているものもあります。医療は常に時代と共に変化することを長い歴史は教えています。

昨年の東日本大震災では当院も建物その他に多少の被害を受けましたが、職員一同の頑張りと多くの人たちの支援を得て、医療を継続することができました。入院中の方々には一日三食を提供し続けましたし、外来診療も継続することができました。震災後の最初の診療日には約100名の方が外来受診をされました。その中には病院のことを心配して駆けつけてくれた人も沢山いました。互いの無事を確認し、安心し合える時間と空間がそこにはありました。
 
 自然は人を癒すこともあれば、時には人を襲うこともあることを我々は経験しました。震災後の大変な状況の中で、人と人とが助け合うことがいかに大事なことかを再認識させられました。プラスかマイナスか、結果が出るか出ないかという単純な思考に慣らされていた我々にとって、プラスの中にもマイナスがあり、マイナスの中にもプラスがあることを改めて思い知らされた1年でした。

震災後の身体的な反応は迅速なものです。これに対し、精神的な反応は迅速なものもあれば、ゆっくりしたものもあります。時間が経っても未だに反応を出し切れないことすらあります。震災が人の心に及ぼした影響はまだまだ続くものと思われます。精神科医療を担う我々は、こうした長期的な問題に対して、粘り強く真摯に立ち向かってゆこうと思っています。

2012年1月      

                            院 長 岩 舘 敏 晴
 
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